声劇台本 based on 落語 「まんじゅうこわい」
【書き起こし人 註】
古典落語をベースにしていますが、あくまでも"声劇台本"として作成しています。
なるべく声劇として演りやすいように、元の落語に様々なアレンジを加えている場合があります。
アドリブ・口調変更・性別転換 等々OKです。
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<登場人物> <配役> 【ちょっと難しい言葉】 ここから本編
クマ:オウ、みんな来たか。
タケ:どうしたんだい、昼間っから こんな ぞろぞろ呼び出して。 クマ:いいからいいから。まぁ座ってくれよ。 タケ:おォ!?なんだいこりゃ。
クマ:そうなんだよ。
タケ:へえ、そりゃ ありがてえなぁ。
クマ:いや、 タケ:めでたい?
クマ:実は、今日 俺の誕生日なんだよ。 タケ:え? クマ:だからさ、今日は俺の誕生日なんだよ。 タケ:たんじょうび…?
クマ:おめえ誕生日知らねえの?
タケ:おめえが生まれた日…?
クマ:そうだよ。 タケ:いつ? クマ:だから今日だよ。 タケ:昨日も会ったじゃねえかよ。 クマ:おめえ馬鹿じゃねえのか。
タケ:あ、そうなの? クマ:当たり前じゃねえか。
タケ:なるほどねぇ。めでたいってのは そういうことか。 クマ:そうそう。
タケ:いいねえ。
クマ:オウ、遠慮しねえで、どんどん食ってくれ。
タケ:あ、ほんとだ。 クマ:おかしいなぁ、アイツにも声かけたんだけどなぁ…。 タケ:テツ公のことだ、昼寝でもしてんじゃねえか? クマ:かもしれねぇな。
テツ:(何かにおびえたように息を切らせて入ってくる)
クマ:お!来た来た!
テツ:へ、へい…。 クマ:ん?どうしたんだよ?
テツ:そ…そうじゃねえんスよ。 クマ:じゃ どうしたってんだよ。
テツ:へ、へい…。 クマ:大丈夫か?
テツ:あ、どうも…。
クマ:落ち着いたか?
テツ:へい、体は どこも悪くねえんで。 クマ:じゃあ どうしたんだよ。
テツ:実は、ここに来る途中、おっそろしいモンに出くわしちまって…。 クマ:恐ろしいモン?
テツ:お、俺、兄ィんとこに行くの遅れそうだったから、
クマ:何が。 テツ:ヘビが!! クマ:ヘビ? テツ:そう ヘビ!!
クマ:へえ~。
テツ:そりゃもう!5,6寸はありましたよ! ※5,6寸=約15~18cm クマ:5,6寸!?太さが!? テツ:長さが。 クマ:長さかよ!ミミズほどじゃねえか!
テツ:そうなんスよ、昔からヘビが苦手で…。
クマ:え、おめえフンドシ テツ: クマ:おいおい、いくら長いモノが タケ:なんだい?その えな ってのは? クマ:ヘソの テツ:なるほど、そういうことスか…。 クマ:ま、迷信だろうけどよ。
タケ:なにが? クマ:いやさ、俺たち もうずいぶん長い付き合いだけどよ、
タケ:俺かい?
クマ:カエル?カエルが タケ: クマ:そりゃオメエ トメ:ナメクジ。 クマ:ナメクジ?
キン:毛虫。
クマ:うわぁ~、そりゃ気持ち悪ィな…。
ロク:クモ。
クマ:なるほどなるほど。そう考えるとイヤなもんだなぁ。
マツ:オイラはアリですね。 クマ:アリ?あんなもんが マツ:あいつら すぐに集まるでしょ? クマ:ん?まぁ、たいがい10匹も20匹も集まってんなあ。 マツ:そうやって集まってオイラの悪口言ってるんじゃないかと思うと怖くて怖くて…。 クマ:どういう怖がり方だよ。
タツ:……くだらねえ。 クマ:え? タツ:黙って聞いてりゃ何だオメエら。
クマ: タツ:当たり前じゃねえか。 クマ:そうかい…?
タツ:ヘビなんざ何が怖いってんだ。
クマ:ヘビを!? タツ:そうだよ。ひんやりして気持ちいいぜ?
クマ:ホントかよ!
タツ:アリなんざ、 クマ:そうかい? タツ: クマ:アリを!? タツ:ごまが動き回って食いにくいけどな。 クマ:そりゃそうだよ。
タツ:クモ?ありがてえ虫じゃねえか。
クマ:うわ、あんまり聞きたくない…。 タツ:糸の引きが足らねえなぁと思ったら、
クマ:気持ち悪いよ…。
タツ:毛虫?毛虫なんてのは便利な虫じゃねえか。
クマ:気持ち タツ:だから言ってるじゃねえか。
クマ:ホントかい?
タツ:なんにもねえよ。 クマ:そうかなぁ…。
タツ:くどい野郎だなあ。
クマ:ん?どしたの? タツ:いや、別に…。 クマ:いやいや、いま「あ」って言ったじゃねえか。
タツ:な、なんでもねえよ…。 クマ:いやいやいや、ごまかすこたァねえじゃねえか。
タツ:(ため息)分かった分かった…。
クマ:そうだろそうだろォ?
タツ:まんじゅうだよ。 クマ:え? タツ:まんじゅうだよ。 クマ:まんじゅう…??
タツ:虫じゃねえよ。
クマ:え?やっぱり食うほうの まんじゅうなの?
タツ:そうだよ。
クマ:ホントかよ…。
タツ:やめろよ まんじゅうまんじゅう連呼するの。
クマ:へえ~。
タツ:ひィっ!やめろよ…!
クマ:へえ。
タツ:ひィっ!栗まんじゅう! クマ: タツ: クマ:どこがだよ。
タツ:ひィっ! クマ:分かったよ、地獄絵図はもういいよ。
タツ:ひィっ!葬式まんじゅう! クマ: タツ:意外と値段が高くて クマ:なんだいそりゃ。 タツ:値段が高けりゃ高いほど 怖さが増すんだよ。 クマ:妙な怖がり方だねぇ…。
タツ:俺…、 クマ:ああ、悪かったな、怖がらせちまって。
タツ:おう、悪いな…。
クマ:へえ~、まんじゅうが タケ:なんだい? クマ:聞いたろ?タツのヤロウ、まんじゅうが タケ: クマ:どうやるったってオメエ、まんじゅうに決まってるじゃねえか。
タケ:マズいんじゃねえか…?
クマ:いいじゃねえか死んだって。
タケ:うまいこと言うねえ。
クマ:よーし決まった!
クマ:(皆が買ってきたまんじゅうの数々を目の前にして)
クマ:へっへっへ、置いてきた置いてきた。
タツ:う、うーん…。
クマ:オイみんな聞いたか?(笑)
タツ:ええ…?なんなんだよ…。
クマ:あっはっはっは、うまくいったうまくいった!
タツ:まんじゅうが…!目の前にまんじゅうがあるんだよォ~!
クマ:おい…、なんか様子がヘンじゃねえか?
タツ:ここらで一杯、渋~いお茶が怖い。
・クマ(セリフ数:80)
本作の主人公。
・タケ(セリフ数:22)
クマの仲間。カエルが怖い。
・テツ(セリフ数:15)
クマの仲間。クマのことは「兄(アニ)ィ」と呼ぶ。ヘビが怖い。
・トメ(セリフ数:1)
クマの仲間。ナメクジが怖い。
・キン(セリフ数:1)
クマの仲間。毛虫が怖い。
・ロク(セリフ数:1)
クマの仲間。クモが怖い。
・マツ(セリフ数:3)
クマの仲間。アリが怖い。
・タツ(セリフ数:35)
クマの仲間。不愛想。「怖いものはない」と豪語する。
・クマ:♂
・タケ/テツ/トメ/キン/ロク/マツ/タツ:♂
※兼ね役が多いので、クマ以外の役は、名前に色を付けています。
胞衣(えな)
胎児を包んでいる膜および胎盤・臍帯(せいたい)等の総称。
※発音について
柳家喬太郎師匠は、「エヴァ」と同じようなアクセントで発音してらっしゃいます。
柳家小さん師匠は、魚の「エラ」と同じようなアクセントで発音してらっしゃいます。
頭(カシラ)
ここでは いわゆる「おかしら」のこと。大工の棟梁。上司。ボス。
万物の霊長(ばんぶつ の れいちょう)
宇宙のあらゆるものの中で、もっとも優れているもの。人間・人類のこと。
入ってくれ入ってくれ。
巻き寿司に
ずいぶんたくさんあるじゃねえか。
とてもじゃねえが一人じゃ食いきれねえからさ、
おめえらに手伝ってもらおうと思ってよ。
ありがてえけどよ、これ、どうしたんだい?
何がめでたいの?
何?たんじょうびって。
俺が生まれた日だよ。
おめえが、生まれたの…?
今日の今日 生まれたってワケじゃねえよ。
26年前の今日 生まれたってことだよ。
生まれたてで こんなデカいわけねえだろ。
まぁそうやって毎年毎年 生まれた日を祝うってのが近頃
まぁ祝いに こうやって食いもん くれたのは ありがてえんだけどよぉ、
届けてくれた
「
俺ひとり身の ひとり暮らしだよ?
家族なんざ いねえってんだよ。
ま、せっかく
残して腐らしちゃうのもイヤだしさ、みんなでパーッと食おうと思ってよ。
オウみんな、ありがたくゴチになろうじゃねえか。
あれ?テツのヤロウがいねえな。
ま、起きりゃあ そのうち来るだろ。
あ、兄ィ…。
オウ、テツ公、遅かったじゃねえか!
入れ入れ!みんなもう来てるぜ!
様子がおかしいなオイ。顔色も良くねえし。
どうした?体の具合でも悪いのか?
ま、とにかく上がって、座れよ。
オウ、誰か水一杯入れてやってくれ。
ガタガタふるえてやがる。
おいテツ公、水、飲めるか?
(ごくごく)ふゥーッ。
どうしたんだよ?
ほんとに体は何ともねえのか?
様子が尋常じゃなかったぜ?
穏やかじゃねえなぁオイ。
何だよ?
どこで 何に出くわしたってんだよ?
近道しようと思って…、ほら、
そこ歩いてたら、
パっと見てみたら……、
いたんスよ!!
俺、もう怖くて怖くて…!
慌てて逃げて来たんス…。
いつもは威勢のいいテツ公がここまで怖がるんだ。
よほどのヘビだったんだな?
何が出くわしただよ、むしろよく見つけたな、そんな小せえの。
なんだよテツ公、おめえヘビが
ヘビだけじゃねえんスよ、ウナギにドジョウにミミズ、とにかく長いモノが怖くて。
だから俺、ソバもうどんも食わねえし、フンドシも怖くて
フンドシくらい
ふうん、そんなに長いモノが苦手とは知らなかったなぁ。
まぁでも、「虫が好かねえ」なんて言うし、
人間誰しも好き嫌いがあるもんだ。
オ、そういや こんな話を聞いたことがあるぜ。
ホラ、「
赤ん坊が産まれたら、そのヘソの
その埋めた所の上を いちばん初めに通ったモノが、そいつの怖いモノになるって話だ。
だからよ、きっとアレだ、テツ公の
しかしよ、こりゃ案外おもしれえぞ。
みんなの
せっかく今日はこれだけ集まってんだ。
ひとつ、それぞれの
じゃあまずはタケ、おめえの
俺はカエルが
こんな所に目があってよォ、あと、口がでけぇだろ?
そのデカい口をよぉ、時々パカーッと開けやがって。
その顔が怖くて怖くて…。
だから俺、ガマグチ開けるのもイヤなんだよ。
ま、カエルもな、でけえのになりゃ ちょいと気持ち悪いもんだからな。
じゃあ次、トメ公、おめえ何が
まぁ、ヌルヌルしててイヤなもんだなぁ。
ん?ちょっと待てよ。
テツ公の
で、タケがカエルでトメ公がナメクジ。
なんだよ、おめえらキレイに三すくみじゃねえか。
オウ、キンちゃん、おめえは?
あれ一匹でも気持ち悪いのによォ、
あいつら集まってモゾモゾモゾモゾ動いてやがるだろ?
あんなの見たら背筋がゾーッとするね。
こないだもよォ、そこの
なんかゆらゆら波打ってんなァと思って 近づいて見てみたらよ、
小せえ毛虫が何十匹もビッシリはりついてやがんのよ…!
そいつらがウジャウジャ動いて波打ってるように見えたんだよ。
俺ァもう気ィ失いそうになったぜ。
ロク、おめえは?
突然 糸でぶら下がって、ツーっと目の前に降りてきやがるだろ?
ビックリして跳び上がっちまうよ。
それにアイツら、どこにでも巣を張るだろ?
暗い所で いきなり顔にネバネバしたモンが絡みついて来てよォ、
心臓止まりそうになっちゃうよ。
オウ、マツ公、おめえは何が
けど おもしろいもんだねぇ。
みんな色々
ん?むこうで そっぽ向いてタバコふかしてるヤツがいるねえ。
どうせタツの野郎だろ?相変わらず
おう タッちゃん、聞いてたろ?
今みんなで
タバコばっか吹かしてねえでさ、仲間に入りなよ。
タッちゃん、おめえは何が
いい若えもんが、アレが
情けねえったらありゃしねえ。
人間はな、
それが他の生き物を怖がるなんざ、みっともねえと思わねえのか。
よく分からねえけど、何かい?
タッちゃんは、
ヘビ、怖くねえかい?
夏場なんか、俺はハチマキ代わりにヘビを頭に巻いてんだ。
それによ、ほっといてもヘビのほうで勝手にキューっと
アリなんかは?
クモは?
納豆食う時によ…
クモ2,3匹ぶち込んでガーっと混ぜるんだよ。
尋常じゃねえほど糸引くぜ?
忘れてるかもしれねえけど、メシの席だぜ…?
食欲なくなるじゃねえか…。
まぁいいや…。
じゃあ毛虫なんかは?
毛虫のケツに棒きれブッ刺してよぉ、それでもって歯ァ磨くんだ。
クモぶち込んだ納豆食って、毛虫のハブラシで歯ァ磨く!?地獄絵図じゃねえか…。
おっそろしい
俺に
なんにもねえの?
だって みーんな何かしら
タッちゃんだってさ、よーく考えてみたら、1つくらい
なんべん
どうしたんだよ!
やっぱ、
いいじゃねえか
それじゃ
実は俺にも、ひとつだけ
なんだい?
タッちゃんの
(他のやつらに)
オイ、おめえら まんじゅうなんて虫 知ってるか?
知らねえよなぁ。
俺も まんじゅうってぇと、食うほうの まんじゅうしか知らねえや。
(タツに)
なあタッちゃん、まんじゅうって、どんな虫なんだい?
まんじゅうは まんじゅうだよ。
食う まんじゅうだよ。
いやあ みんな虫ばっかり言ってたからさ、
てっきり「まんじゅう」って虫がいるのかと思ってよ。
え?じゃあ何かい?
タッちゃん、まんじゅうが
そこらの店で売ってる まんじゅう?
俺ァ昔っから まんじゅうが
ヘビやクモなら分かるけど…、まんじゅうだぜ…?
ホントにまんじゅうなんかが
俺ァまんじゅうと聞くだけで震えが来るんだ。
ああ、
じゃ、
そうやって具体的に言われると よけい
栗まんじゅう。
あんな
栗とまんじゅうが一緒になってんだぜ…?地獄絵図じゃねえか…!
クモと納豆 一緒にするほうが よっぽど地獄絵図だろうが。
じゃ
あんな
じゃ葬式まんじゅう。
(タツの具合が悪そう)
ん……?
タッちゃん、大丈夫かい?
ちょいと横になりてえからよ、隣の部屋、借りていいか?
(他のやつらに)
オウ、隣の部屋に布団しいてやってくれ。
(タツに)
タッちゃん、邪魔しねえから、ゆっくり寝てきなよ。
それじゃ、しばらく布団かりるぜ…。
しかし これは面白いことになってきたぜ。
オウッ、みんな ちょいと集まれ。
あのヤロウさ、今日もそうだけどよ、
普段から
いい機会じゃねえか、ちょいと
これから みんなで色んなまんじゅう買ってきてよ、
寝てるヤロウの枕元に そーっと置いてやろうってんだ。
ヤロウが目ェ覚まして それ見たら どうなるか…面白いと思わねえか?
だって話だけで あの怖がりようだぜ?
本物なんか見たら死んじまうかもしれねえよ?
たいして世の中の役に立ってるわけでもねえしよ。
俺たちは世の中の邪魔者を始末してやるってわけだ。凶器はまんじゅう。
これがホントのアン殺ってんだ。
ま、いっか、死んじまっても。
おもしろそうだし、やるか。
それじゃあ みんな、めいめい色んな まんじゅう買って来てくれ!
いや~、ずいぶん色んなまんじゅうが揃ったねぇ。
どれどれ…、栗まんじゅうに
こっちは
色々あるもんだなぁ。
お、律義に葬式まんじゅう買ってきたヤツもいるねえ。
これは何だ?
ほォ中華まんじゅう。変わってるねェ。
こっちは何だ?
いちご大福…。
これはちょっと違うんじゃねえか?
ま、いいか。
これだけありゃあ十分だろ。
よォし、じゃあ ちょいと
どれどれ…。
おお、寝てる寝てる。
頭からスッポリ布団かぶって寝息たててやがるよ。
よし、じゃあ俺がヤロウの枕元にまんじゅう置いて来るからよ、
おめえら、物音たてるんじゃねえぜ?静かにしてろよ?
あとは
いいかオメエら。起こすぜ?
(襖ごしにタツに)
オーウ、タッちゃーん、具合はどうだーい?
そろそろ、落ち着いたかーい?
いやあ…、
まだ ちょいと頭がボーっとしてやがる…。
夢となく、うつつとなく、目の前にまんじゅうがあるような
あんなこと言ってら。虫が知らせるんだねぇ(笑)。
(襖ごしにタツに)
おーい、タッちゃーん、布団から出てさあ、目の前 見てみなよー。
布団から出て目の前見てみろって…。
いったい何が…(目の前にはたくさんのまんじゅうが)
こ、こ、こ、これ……、ま、ま、ま、まんじゅうじゃねえか!!
聞いたかオイ、ヤロウの怖がり方よォ(笑)
おーいタッちゃーん、どうしたんだーい?
こんな
どうしたらいいんだよォ~!
そうだ、食っちまえばいいんだ!
食っちまえば、目の前から無くなるもんな!
よしッ、食っちまおう!
まずは…栗まんじゅう!お~栗まんじゅう
パクッ。モグモグ…。
ウンウン、
(もう 怖がり方もテキトーになる)
こっちは?ふむ、
あー
パクッ。モグモグ…。
ウン、皮の風味がいいねえ。いやぁ
あー、まんじゅう
これは?お、
あー、
パクッ。モグモグ…。
うん、プルプルしてる。この食感が たまらねえや。
いやぁ
あー、まんじゅう
ん?こっちは
あ、これ
パクッ。モグモグ…。
うん!思ったとおり
いやー、甘さが上品で、高級感のある怖さだねぇ。モグモグ…。
いやー、まんじゅう
最初のうちはヒィヒィ騒いでたのによぉ、妙におとなしくなってねえか?
なんだかムシャムシャ
ちょいと、
どれどれ…。
あ!このヤロウ、まんじゅう食ってやがるよ!
やいタツ公!おめえホントは まんじゅう
このヤロウ 一杯食わしやがって…!
オウ!おめえ本当は、いったい何が
おわり
参考にした落語口演の演者さん(敬称略)
柳家喬太郎
柳家小さん(5代目)
入船亭扇橋(9代目)
三遊亭兼好
古今亭菊志ん
何かありましたら下記まで。
kurobekio@yahoo.co.jp