声劇台本 based on 落語 「
【書き起こし人 註】
古典落語をベースにしていますが、あくまでも"声劇台本"として作成しています。
なるべく声劇として演りやすいように、元の落語に様々なアレンジを加えている場合があります。
アドリブ・口調変更・性別転換 等々OKです。
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<登場人物> <配役>
ここから本編
八五郎:ご隠居さん、こんちはァ! ご隠居:おお、誰かと思ったら、 八五郎:へい、じゃ 遠慮なく。 ご隠居:このところ 顔 見せなかったねぇ。
八五郎:そうなんスよ。ここんとこ、
ご隠居:そうだったのかい。
八五郎:まあ そうスね。仕事が 無くなっちまったら、
ご隠居:そりゃ 隠居だからね。 八五郎:その割りにゃあ、食うに困ってるようにゃ 見えねえスね。
ご隠居:そんなワケ 無いじゃないか。人を 八五郎:へ~え、隠居ってのは いい身分なんスねえ、うらやましいや。
ご隠居:なんだい、隠居に転職ってのは。隠居は 別に 職業じゃないよ。
八五郎: ご隠居:じゃ 八五郎:いるワケ ご隠居:じゃ どうやって 隠居なんか しようって言うんだい? 八五郎:ご隠居ん ご隠居:何 言ってんだい。
八五郎:駄目スかねえ。 ご隠居:駄目だよ。若いうちは しっかり働きな。
八五郎:まぁ そう言われりゃぁ そうスね。
ご隠居:そんなことは無いよ。
八五郎:へえ!その ご隠居:そうじゃないよ。さすがに もう そんな元気ないよ。
八五郎:じゃあ ご隠居:ちがうよ。
八五郎:じゃ 何なんスか?ご隠居の ご隠居: 八五郎:え? ご隠居: 八五郎:へえ……。
ご隠居:それはヨガだよ。
八五郎:あ、そうスか。
ご隠居:それは 八五郎:ああ ショガ。
ご隠居: 八五郎:ああ、その ヘコの ご隠居:なんだい ヘコの 八五郎:(床の間を指して)
ご隠居:何 言ってんだい。これは 八五郎:バケモノ!? ご隠居:バケモノじゃないよ。 八五郎:あー確かに。
ご隠居:お、気が付いたかい? 八五郎:前に 飾ってあったやつは、たしか――、
ご隠居:なんだい ボラが そうめん食ってる絵って。そんな絵が あるかい。
八五郎:あ、そうだったんスか。
ご隠居:まったく……。
八五郎:(掛け軸の絵をよく見てみる)
ご隠居:おまえさんねぇ……、そんなもんを 題材にした絵が あるかい。
八五郎:ゆきおれざさ……?
ご隠居: 八五郎:え?
ご隠居:(絵を指しながら)
八五郎:(見るとたしかに何か書いてあるが)
ご隠居:これはね、
八五郎:(すっかり感心する)
ご隠居: 八五郎:さ、 ご隠居: 八五郎:たっとばれる、って、なんスか? ご隠居:つまり、 八五郎:おお、「八五郎さん」――。いい響きだねぇ。
ご隠居:「八五郎 八五郎:じゃ「八五郎どの」と呼んでた人は? ご隠居:「八五郎 八五郎:「八五郎さま」と呼んでた人は? ご隠居:そんな人 この世に いないだろ。 八五郎:いねえスけど……。
ご隠居:ん~、まあ、「八五郎 八五郎:「先生」――!
ご隠居:先生まで呼ばれりゃ じゅうぶんだろ?(汗) 八五郎:いやいや!目指せ、「 ご隠居:欲張るんじゃないよ。
八五郎:もちろんスよ!
ご隠居:え?やって来るって――、どこでだい? 八五郎:ウチの ご隠居:お、おい 八五郎:いやー、いいこと教えてもらったなァ。
大家:(表戸を開けて)
八五郎:誰が わからず屋だぃ! 大家:おまえだ。モノが分からないから わからず屋だ。
八五郎:言われなくても 入らあ。
大家:で?やっと 八五郎: 大家:じゃ 何しに 来たんだ。
八五郎:この家、 大家:話を 聞かんヤツだな。
八五郎:え? 大家:そのヤモリなわけ 無いだろう。
八五郎:で、 大家:何なんだ おまえは。
八五郎:そいつを 大家: 八五郎:おうよ。
大家:どういうことだ。
八五郎:無茶 言うなィ、 大家:意味が 分からん。まったく……。
八五郎:おお――なるほどォ。
大家:何を言ってる。
八五郎:え?? さ、 大家:見れば分かるだろう。
八五郎:そ、そうスか……、 大家:ん?おい――
八五郎:(独白)
医者:おや、八五郎さんじゃありませんか。
八五郎:え??
医者:「 八五郎:へえ、めったに来ない客が チン!
医者:どういう理屈ですか(汗)。
八五郎:そうなんスよ!
医者:ほう、 八五郎:ウチは 医者:ご 八五郎:あ、そうスか。
医者:ほう、 八五郎:(見る)
医者:え――?
八五郎:いや だから、
医者:ちょっと よく分かりませんが――。
八五郎:(まったく意味不明だった)
医者:はて――、これは 八五郎: 医者:いやいや、 八五郎:え!? 医者:これは、 八五郎: 医者:さよう。 八五郎:そ、そうなんスか……??
医者:間違いありません。
八五郎:そうスか……。
医者:ん?もう 行くんですか?
八五郎:(独白)
ハン公:(戸を開けて)
八五郎:オメエよォ、 ハン公:あん?そりゃ いくつか持ってるけどよぉ。
八五郎:見せてくれよ。 ハン公:(バカにして)
八五郎:馬鹿にすんなィ。俺にだって 分からァ。
ハン公:おめえが 八五郎:オウ、邪魔するぜ! ハン公:(座敷の壁を指して)
八五郎:(掛け軸の1つを見る)
ハン公:何が オッサンだよ。
八五郎: ハン公:そりゃ 八五郎:たけるとショーゴの 漫才コンビ? ハン公:そりゃ 八五郎:ああ、コイツか、
ハン公:誰だよ そりゃ。 八五郎:(別の人物を指して)
ハン公: 八五郎: ハン公:なに言ってんだ。
八五郎:(また別の人物を指して)
ハン公: 八五郎: ハン公: 八五郎:(また別の人物を指して)
ハン公:そりゃ 八五郎:女が ひとりに ハン公:やめろよ、 八五郎:(絵の上のほうに字が書いてある)
ハン公:(ため息)まったく……。
八五郎:なるほどォ――。
ハン公:なに言ってんだ。これは、 八五郎:し、 ハン公:何がだよ。意味が分からねえよ。 八五郎:なんで ハン公:俺に言われたって 知るかよ。
八五郎:どうなってんだよ……。
ハン公:ん?そっちは 有名だぞ?
八五郎:(独白)
ハン公:バーカ、そいつは、
・八五郎(セリフ数:87)
?歳。 職人
町内の間抜け男。
一人称は「あっし」。
・ご隠居(セリフ数:39)
?歳。 初老~老年。
町内の物知り隠居。
書画を鑑賞するのが趣味。
一人称は「わたし」(なんでもいいです)。
・大家(セリフ数:13)
?歳。 八五郎よりは年上かな。
八五郎の住む長屋を管理する大家。
やや気難しい感じのおじさん。
八五郎のことは見下している。
一人称は「ワシ」(なんでもいいです)。
・医者(セリフ数:14)
?歳。
町医者。
人当たりは優しく、口調も丁寧。
一人称は「わたくし」(なんでもいいです)。
・ハン公(セリフ数:21)
?歳。八五郎と同年輩ぐらいか。
八五郎の友人。
本名は「半次」。
どうやら風流人らしい。
一人称は「俺」(なんでもいいです)。
・八五郎:♂
・ご隠居/大家/医者/ハン公:♂
【ちょっと難しい言葉】※クリックすると開いたり閉じたりします(ブラウザによっては機能しません)
丁半博打のこと。さいころを2つ使い、目の丁(偶数)と半(奇数)によって勝負をきめるばくち。
さいころ3つをどんぶりに入れ、出た目によって勝負をきめるばくち。
墨で描いた筆のあと。また、特に禅僧が筆で書いた字。
日本建築において、座敷の上座の、ゆかを一段と高くした所。壁に掛け物をかけ、床に花・置物などを飾る。
壁にかけるように作った書や画。掛け軸。
降り積もった雪の重みで折れ曲がった笹。
絵の上部や余白に書き加える言葉や文章。画賛。
家賃のこと。
トカゲに似た生き物。害虫を食べてくれるらしい。
近くの水辺。
遠くにある樹木。
1752-1826。江戸時代の漢学者、書家、儒学者。
初めに教えを説いた人。宗派の開祖。
仏法が衰えた時代。道義のすたれた世の中。
約151.5センチメートル。
仏教で、この世に生きているすべてのもの。生きとし生けるもの。特に人間。
仏教で、「この世のあらゆる事物には実体はない」みたいな意味だが、絶対もっと深い。
「禅師」は高徳な僧への尊称。一休宗純(1394-1481?)室町時代の臨済宗の僧。とんち話の題材で有名。
さとること。さとり。
1981年に結成された日本のロックバンド。氷室京介や布袋寅泰が所属していた。1988年解散。
1962- 。日本のロックミュージシャン。元BOØWY、COMPLEXのメンバー。
七福神の一人。実在した中国の仏僧がモデルと言われている。
ここでは中国浙江省にある径山寺(きんざんじ)のことか。布袋尊との関係はよくわからない。
和歌山などで生産される嘗め味噌の一種。中国の径山寺で作られていた味噌が原型という説もある。
七福神の一人。長い頭をもつ。
七福神の一人。釣り竿と鯛をもつ。七福神で唯一 日本古来の神様。
七福神の一人。七福神で唯一 女性の神様。
まあまあ お上がりよ。
忙しかったのかい?
仕事が 立て込んじまって。
まぁ でも、仕事が無くて 食うに困るよりは いいじゃないか。
おまんまの 食い上げですからねェ。
――あれ?
でも ご隠居。
そういや ご隠居は、仕事
してねえスよね?
なんスか、メシは毎日、どっかから 盗んで来てんスか?
あのねえ、わたしは 今でこそ 仕事は してないけど、
若い
その頃の
食べるのには 困らないんだよ。
あっしも 隠居に転職しようかな。
だいたい 隠居するったって
聞いたこと無いよ、隠居の
働いて 稼いで、仕事仲間と 呑んだり 遊んだりする。
それは それで ハリのある 毎日じゃないか。
そこへいくと ご隠居、
ご隠居なんか 毎日 退屈なんじゃねえスか?
わたしにも
そういう
まったく おまえさんと きたら、どうして
まぁ
じゃ 毎日 マット
「
わたしが 言ってんのは、
まぁ、
ハチミツと一緒に 湯に溶かして 飲んで――
わたしが 言ってんのは
なんスか?ショガって。
ありがたい
(背後の床の間の掛け軸を指して)
ほら、わたしの うしろの所に、 いつも 飾ってあるだろう?
だって、そこんとこ ヘコんでるじゃねえスか。
ヘコんでるから ヘコの
出っぱってたら デコの
それに 紙きれとは なんだい。
これは、
ウチに来るたびに、いつも そこに 何かしら 飾ってあるだろ?
あれ――?
今 飾ってあるやつ、これ、前と変わってねえスか?
ボラが そうめん食ってる 絵でしたよね?
あれは 「
なんか 魚が 上 向いてて、その上に 白い線が いっぱい描いてあったから、
ボラが そうめん食ってる 絵かと思ってましたよ。
じゃ 今 掛かってるのは、何の絵か 分かるかい?
えーと……。
その周りは 白くて……。
あ、
仮に あったとしても、わたしゃ
これは、『
なんスか?それ。
白いのは 塩じゃなくて 雪だ。
これは
なんで それが
絵の上のほうを 見てごらん?
字が 書いてあるだろう?
この絵の 心が 書いてある。
ああ――、たしかに なんだか ウニャウニャ書いてありますねえ。
何て 書いてあるんスか?
あっしは 職人なんでねえ、字は ちょっとねえ――。
「
と書いてある。
雪が重くて
なんとか
いつか雪は
人間も 同じでね、どんなに
いつかは 過ぎ去って、その苦労も 報われる。
そういう事を 言ってる
はァ~ なるほどねえ!
俺ァ 感心しちゃったよ!
いやぁ、イイ
こういう物を
「
今後 こういう物を 見せてもらう機会が あったら、
「
おまえさんも 少しは
見直されるというか、馬鹿に されなくなる というか――。
まぁ 呼び方ひとつ 取っても、たとえば
おまえさんの事を 「
その呼び方が、「八五郎
え、じゃあ、「八五郎さん」て 呼んでた人は、
どう呼んでくれるんスか?
仮に、仮に いたとしたら?
いいスねェ――!
その上は?
まぁ それは ともかく、
じゃ さっそく、いっちょ やって来るんで!
ホラ、ちょうど ここの
あのオヤジ、いつも あっしのこと バカに しやがるんスよ。
呼び方だって、「
「ガラッ
ここは ひとつ、
「八五郎さん」て 呼ばせてやりますよ!
そいじゃ ご隠居、さいならー!!
行っちゃったよ――。
あい変わらず、
ご隠居ん
年寄りとは 付き合っとくモンだな。
(大家の家に着く)
お、着いた。
(中へ向けて)
オーウ!
ん?
なんだ、騒々しいと思ったら、わからず屋のガラッ
しかし あい変わらず ガサツな男だな。
家の前で 騒がれたんじゃ 迷惑だ。
とりあえず 中へ 入れ。
オウッ、邪魔するぜ!
たしか
というか 払えよ。
なに、
おまえ、馬鹿にするなよ。
こう見えても ワシは、
家を守ると書いて
このあたりの
あと ヤモリは
馬鹿にするなと 言っただろう。
(床の間を指して)
ほれ、そこにも ひとつ掛かってるだろう。
それが どうした?
おまえに
じゃ 近くで よーく 見せてもらうぜ?
(掛け軸の前に立って見る)
(独白)
どれどれ……?
ん??
なんだ こりゃ、字ばっかりで、絵が 描いてねえ。
なんだよ、絵が
(大家に)
おまえ これを
まあ いい、読んでやるから よく聞け。これはな、
「
――と 書いてある。
白い
対して 真っ黒な
人の行いも 同じでな、人のそばで
なかなか気付いては もらえないが、
悪事は たとえ 人目の少ない所で 働いたとしても、すぐに
だから 悪い事など しようと思わず、正しく生きよという
けっこうな、
これは
亀田鵬斎(かめだ・ぼうさい)という
え、ホントに??
これ ホントに
まぎれもなく、これは
さいなら……。
行ってしまった……。
何を しに来たんだ あいつは……。
ん~~~?どうなってんだ……?
ご隠居は
おっかしいなァ……。
ご隠居は
ん……?
隠居は
なんだか サイコロの目みてえだな。
さーて、どっちが 正しいんだ……?
ヨシ、もう一軒、試しに 行って やってみよう。
で、「けっこうな
そうと決まりゃあ……、どこ行って やろうかなぁ……。
あ、そうだ、
あのセンセイなら、
ヨーシ 行ってみよ。えーと――
(到着)
オっ、ここだ ここだ。
(診療所に入って)
オウ、センセイ、邪魔するよ!
これは これは、
なんスか、センセイ、
めったに来ない客を、「
じゃ しょっちゅう来る客は ボルゾイ!
ま、それは いいとして――。
えーと、今日は、何か ご用があって 来られたんですか?
センセイが
見せてもらいてえと 思ってね。
八五郎さんは、
ご
いや そうなんスよ!
ごく最近、
だから センセイが
まあ、
わたくしも
では、奥の座敷に
(座敷に案内)
さ、ここです。
そこの
どうぞ ご覧になってください。
ん~~どれどれ……。
(独白)
うわ……、こりゃまた ウニャウニャと いっぱい 字が書いてあんなぁ……。
(医者に)
あー、センセイ、ちょいと、コレ 読んでくださいよ。
あの、読んで
読むのと
センセイが 読む、で、あっしが
そしたら
まあ いいでしょう。
では 読みますよ?これはですね、
「
――と 書いてあるんですね。
へ――へぇ~、なるほどねェ……。
センセイ、こいつァ、アレだね――、
けっこうな、
じゃ
けっこうな、
じゃあ コレ、何なんスか!?
こういった物を
と おっしゃるのが
なんかの 間違いじゃねえんスか……?
ホントに、
これは、
さいなら……。
八五郎さん? 八五郎さん?
行ってしまった……。
いやいや どうなってんだよ オイ……。
ん――?
なるほど!
これ、
なぁんだ、ああいうの
まったく 隠居のヤロウも ケチだよなぁ、
最初っから そうやって 教えてくれりゃあ いいのによォ。
まあ でも、そうと分かりゃあ、もう一軒だ!
こちとら もう タネは 分かってんだよ。
次 行って、「けっこうな
「いいえ、これは
そうは いかねえ。先回りして、
「けっこうな
さーて、どこ行って やってやろうかなぁ。
ん~~。
そうだ! ダチの ハン
あのヤロウ、普段から
絵やら
ヨーシ 行ってみよ。
(到着)
オ、ここだ ここだ。
(家の前で)
オーウ ハン
ん? おお、なんだ ハチ
何しに 来たんだ?
それが どうした?
ハァ?
オメエみてえなヤツが見たって しょうがねえだろうが。
なんにも 分かりゃしねえんだから。
いいから 見せろよ。俺が 見て、
――ま、いいや。
見せてやるから まあ上がれよ。
ホラ、そこに いくつか掛かってる。
どれどれ……。
オ、これは 絵が描いてある。
やっぱり絵が描いてあるのが いいよな。
(どんな絵かを見る)
んーと……、
何だこりゃ、
(ハン公に)
おう ハン
腹の出た オッサン、誰だい?
そりゃ
ちがうよ。
ちがうよ。
トウモロコシに
この、バカに頭の
この、
なんか、ひとりだけ 女が いるなァ。
間違いが 起きそうだな――。
ん――?
よく見たら、また 上のほうに 字が書いてあるな。
(ハン公に)
おう ハン
字も ロクに読めねえ
ま、いいや、読んでやるよ。
これは めでたい歌でな、上から読んでも 下から読んでも同じ、「
いいか?
「
※仮名で書くと「なかきよの とおのねふりの みなめさめ なみのりふねの おとのよきかな」(濁点は無視する)
下から読んでも 同じだ。
「
どうだ。
おう ハン
けっこうな
オイ 話が 違うじゃねえかよ!
昔っから そう決まってんだ。
ちゃんと七人 描いてあるだろうが。
(その隣の 掛け軸を見て)
あ、なあハン
こいつは なんて書いてあるんだ?
「
よォし、今度こそ――
(ハン公に)
おう ハン
いい
※「
その他の台本
柳家小せん
春風亭柳好(5代目)
柳家一琴
三遊亭わん丈
三遊亭遊雀
三遊亭金馬(3代目)
春風亭一之輔